Column

勘違いから気づけるデザイン

突然ですが、僕は日常的に勘違いすることが多いです。

 

例えば、

レストランで珈琲用に出されたグラスに入ったシロップを水だと間違えて飲みそうになったり、

引かなければ開かないドアを押し続けたり、

急騰ポットのお湯が出る押し口と、蓋が開くボタンを間違えて

湯を出すつもりがボコッと蓋を開けてしまったり。

 

ただよくよく考えてみると、(僕の勘違い癖も多いにありますが)

ただ単純にその製品にデザイン処理がもう少しきちっとなされていたら、

そういった勘違いを引き起こさずに済んでいるかもしれません。

 

人が何かのものを見て、そこから想起させるアクションや判断のことを

『アフォーダンス』と言いますがこれはデザインを

考える上で非常に重要な要素になります。

 

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アフォーダンス:
「与える、提供する」という意味の英語、アフォード(afford)から、米心理学者のジェームス・ギブソンが1950年代後半に作った造語であり、自著の「生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る」の中でその理論を説いた。日本では佐々木正人東大情報学環教授が紹介。
物体の持つ属性(形、色、材質、etc.)が、物体自身をどう取り扱ったら良いかについてのメッセージをユーザに対して発している、とする考え。「環境が生き物に提供するもの」を指し、例えば水は、人間にとって「のどの渇きをいやす」や「溶かす」などのアフォーダンスである。

 

デザインの概念として

アフォーダンスをインターフェイスの設計に生かすことによって,よいデザインの道具を作ることが出来る。
例えば,今目の前に椅子が置いてあるとする.このときこの椅子は特に「座れ」と字が書いていないのにもかかわらず,この椅子は座れるものだと分かる。これはこの椅子自身が「座る」ことをアフォードしているからである。
アフォーダンスは,物をどう取り扱ったらいいかについての強い手がかりを示してくれる。(略)説明のラベルなどなくてもすぐ分かる。しかし,単純なものでも説明がいるような道具があるとするなら,これは,よいインターフェイスを持った道具ではないのだ。アフォーダンス理論についてより

 

引用:Hatena Keywordより
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%C0%A5%F3%A5%B9

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よく分からなくなるボタンの一例としてエレベーターの開閉ボタンがあります。

 

写真1

はっきり言ってこのデザインは、どちらが開くのか閉じるのか

僕には瞬時に判断することができません。

 

以前このデザインのボタンのエレベーターの中にいた時、

とっさに入ろうとした人に対してドアを開けるつもりが、

間違って閉じるボタンを押してしまい思いっきり

その人を挟んでしまったという気まずい記憶があります…

 

そこで、なぜ判断することが出来ないのか検証してみました。

 

写真1_視覚

これは個人的見解ですが、上記の図のように

開くボタンであるはずの左側が内側に縮小していく感覚を与え、

閉じるボタンであるはずの右側が四方に拡散していくラインを(僕は)感じます。

 

つまり左側が縮小する(閉じる)印象を、右側が拡散する(開く)印象を受けてしまうのです。

本来の意味としては全く逆です。左側が開き、右側が閉じます。

 

あくまで見る人の感覚によるとは思いますが僕は上述のように

感じるのできっと間違えてしまうのでしょう。

 

では次の例ですが、

 

写真3_s

 

写真3_2

まだこちらのほうがデザイン的に『開く』『閉じる』を連想しやすいです。

 

左側ボタンは中央(の人)から両端に矢印が向かっていて、ドアが開くイメージが伝わります。

さらに右側ボタンは両端の矢印が内側に閉まっていくイメージがデザインされていて

これもドアが閉じるイメージがしっかり伝わります。

 

では最後の例として、

写真3

こちらであれば完全に『開く』『閉じる』が分かりますね。

日本語が読める人であればすぐ分かるでしょうし、

とっさに『開く』か『閉じる』か判断しなければいけない瞬間もきっと分かるでしょう。

 

こういう視点で日常のものを観察すると面白いですね。

僕があまり色々なことを勘違いせず、迷わず使いこなせてしまったら

このような疑問を持つ事はなかったかもしれないので

勘違いしやすい僕の脳はある意味デザイナーに向いてるかもしれません。

 

これをWEBサイト制作の例に置き換えても分かりますが

WEBサイトは考えなくてならない導線やアフォーダンスや

ユーザーインターフェイスが数多く存在します。

 

細かくノウハウを上げるとキリがないのですが、

僕はWEBサイトのデザインを新規で考える際に、シンプルに

『自分が初めてこのサイトを使っても迷わないか、快適か、心地よいか、ファンになれるか』

という視点を持つようにしています。

 

制作者の僕が使ってよく分からない、理解するまで時間がかかるもの(デザイン)が

初めて触れるユーザーにはもっと伝わるはずがない、という持論です。

 

気をつけているとはいえ、身近なものほど見慣れてしまい、何が良いのか悪いのか感じづらくなることもあり、

まだまだ完全に出来てないものもたくさんあるので日々勉強していこうと思います。

 

 

この記事を書いた人

村上拓也

1982年生まれ。名古屋芸術大学デザイン科卒。卒業後、名古屋市内のWEB制作会社に約6年間従事後退職。
その後、株式会社国際デザインセンターに嘱託社員として入社とともに、
名古屋のクリエイティブを盛り上げる目的で立ち上がったクリエイティブ産業支援プロジェクト「LINKS NAGOYA」に参加。
契約期間満了のため同社を2012年3月末退社。2012年4月よりフリーランスのWEBデザイナーとして活動中。

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